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間違いだらけのバレエ教室選び

間違いだらけのバレエ教室選び

   バレエが大好きなあなたは、自分にあったバレエスクールをさがすためにインターネットで検索して、いま、このページをご覧になっていると思います。

 「幼稚園の娘にそろそろバレエでも習わせようかしら。」と思っているお母さん!

 「いまバレエ教室に通っているんだけど、バレエなんてぜんぜん面白くないんだよなぁー」っていう小学生の君!

 「バレエを本格的にやりたいんだけど、私の教室の先生はなんとなく頼りないの。」という中学生のあなた!

 「プロのバレリーナになりたいんだけど、いま受けているレッスンで大丈夫かしら?」って悩んでいる高校生のアナタ!

 「美容と健康にいいらしいし、もっとスタイルも良くなりたいからバレエでも始めようかなァー」と考えている貴女!

 私は、約50年間にわたって、日本だけでなく、クラシックバレエの本場ロシアで、児童からプロのダンサーまで、おおぜいの生徒たちを教えてきました。いまボリショイバレエ団の第一線で活躍している人気プリマバレリーナのマリア・アラーシュマリア・アレクサンドロワニーナ・カプツォーワも私の教え子たちです。

 日本には、本当に多くのバレエ教室があるので、その中からどこを選んだらいいのか悩んでしまいますよね。そんなあなたに、バレエ教室選びのアドバイスを致しましょう。

 あなたはご存知ですか?

 日本には、バレエを教えることを体系的に勉強したバレエ教師がほとんどいないことを。

 日本には国立のバレエ学校がありませんから、現役のバレエダンサーやバレエダンサーだった人たち、プロではないけれど長年バレエをやってきた人が、教室を開いて教えているのが日本のバレエ教育の現状です。

 しかし、長い伝統をほこるロシアをはじめバレエの本場ヨーロッパでは違います。バレエを教えることを専門に勉強した人たちが教えているのです。

 外国では「バレエ教授法」を専門に勉強し資格を持った人でないとバレエを教えることはできません。ところが、日本では、大人になってから趣味程度にちょっとバレエをかじっただけの人でも、「バレエ教室」の看板さえ出せばすぐにバレエを教えることができるんです!

 これからお嬢さんにバレエを習わせたいと考えておいでのお母さん!

 「一日も早くトウシューズをはかせてくれる先生がいい先生」だなんて思っていませんか?冗談ではなく、そんなことを自慢しているバレエの先生が日本にはたくさんいるんです。バレエを始めて1~2年でトウシューズをはかせる!? 正気なのでしょうか? 子供の骨格の成長を考えているのでしょうか?

 また、「コンクールで大勢の生徒が入賞している教室はいい教室」というのも間違った神話です。子供の身体の成長を無視して、プロのバレリーナが踊るような難しいヴァリエーションばかりをコンクールで踊らせる先生は要注意です。

 ロシアのバレエ専門学校は、入学は10~11歳からなのですが、ヴァリエ―ションのレッスンを本格的に始めるのは、専門課程の2年生(15~16歳)ぐらいからです。最初の5~6年間は、基礎レッスンに重点がおかれています。低学年では、ヴァリエーションを踊るような身体もできていないし、しっかりとした基礎も身についていないからです。

 教えることを専門的に勉強したことがなく、見よう見まねでバレエを教えている先生に習っている子供たちは悲劇です。

 私も、そんな先生の教室で習っていた生徒を教えることがありますが、基礎ができていない子がほとんどで、間違って覚えた基礎を直すのにとても時間がかかります(何年もかかることも!)。最初からきちんとしたバレエ教育を受けていたら、相当のレベルまでいけたのに、という子供たちをおおぜい見てきました。

 また、日本には、基礎レッスンをおろそかにして、テクニックばかり重視している先生たちがたくさんいます。でも、バレエは芸術なのです。足が高く上がる、何回もフェッテが出来る、高く跳べる、では体操とかわりません。あるいは、サーカスに近いかもしれません。

 日本のバレエコンクールに出てくる子供たちは、そんな先生たちの影響を受けているので技術ばかりで中身(芸術性)のない生徒がほとんどです。

 とてもびっくりした事があります。

 小学4年生の女の子が、コンクールの為に個人レッスンを受けに来ました。「キューピット」のヴァリエーションを踊って見せてくれました。

 ...が、?? 私は一瞬何が起きたか分かりませんでした。よくよく聞いてみたら、教室の先生は振付をしてくれず、DVDを渡して、「これを見て振りを覚えなさい。」って言ったのだそうです。とっても真面目そうなその子はビデオを見て一生懸命振りを覚えたんでしょう。まるで鏡を見るように振りがまったく裏返しなのです。驚いてのけぞりそうになりましたが、これは笑い話ではなく本当にあった話です。コンクールのために私の所へ個人レッスンを受けに来る80%以上の生徒が、振りはDVDで覚えたということです。

 日本にはきちんとした振付けができる先生も非常に少ないのです。ですから、DVDを渡して、よく見て憶えなさい(つまり、マネをしなさい!)ということになるのです。

 バレエで最も大切なことは、人の真似をすることではなく、自分の頭で考えてレッスンをすることです。頭を使って(考えて)レッスンをすることができない生徒はバレエが上達しないし、絶対にプロのバレエダンサーにはなれません。

 それと、もうひとつ大事なこと。

 バレエには音楽が欠かせません。モスクワのバレエ・アカデミーでおおぜいの日本人留学生を見ていて痛切に感じたのは、彼らが音楽がまるで分かっていない、ということ。

 音楽のないバレエはありえませんが、と言うより、まず、音楽が先で、後から音楽に合わせてバレエができるのですが、きちんと音を感じとり、音を正確にとって踊れる日本人の生徒はほとんどいませんでした。バレエの振付は、音符一つひとつに振りが付いていることを、教師も生徒も理解する必要があります。

 これも日本のバレエ教育のおおきな欠点のひとつです。

 ところで、あなたの悩みはバレエ教室さがしでしたね。

 あなたは、一人ひとりの個性を無視した1クラス20~30人のバレエ教室でお子さんにバレエを習わせる気になりますか?

 それでは90分のレッスンで、先生が一人の生徒に目を向けている時間はせいぜい4~5分です。1クラスが多くても7~8人のロシアのバレエ学校では考えられないことです。

 まして、バレエを教える勉強をしたことがなく教えの技術を持たない先生が教えるとしたら

 あなたがバレエ教室を選ぶ際には、次のことをチェックすることをおすすめします

● 先生が生徒を大切に思い、愛情を持って教えているか?

● バレエ教授法をきちんと専門的・体系的に勉強した教師が教えているか?

● 先生はプロとしての豊富な舞台経験を持っているか?

● 生徒達がバレエ用語を知っているか?

● 生徒達が先生のお手本を見ずに動いているか?

生徒たちに頭で考えさせるレッスンをしているか?

● スタジオはクラスの人数にふさわしい広さがあるか?

子供から大人まで、レベルの違う生徒が同じクラスでレッスンをしていないか?

● レッスン料はレッスン内容にふさわしいか?

● 早くにトウシューズをはかせることがないか?

 生徒をやたらにコンクールに出したがらないか?  

● 発表会の参加費用が多額すぎないか?

● 発表会のキャスティングを、生徒の実力ではなく、保護者の経済力で決めていないか?

● 中学生・高校生教師がクラスを持っていないか?

● 生徒が自主的に外部の講習会に参加することを認めてくれるか?

(自分の指導に自信の無い先生は生徒が外の講習会に参加することをイヤがります。)

  

 小学生でも、中学生でも、高校生でも、大人の貴女でも、そしてお母さんでも!

 本格的なバレエを習いたい、あるいは、お子さんに習わせたいと思っているアナタへ!

 プロになるかどうかは別として、正しいバレエを習いたいと思いませんか?

 何よりもバレエは楽しくなくてはいけません。正しいバレエを勉強すると本当にバレエが楽しくなります ぜひ、正しい基礎を教えてくれるバレエ教室を選んでください。

元モスクワ・バレエ・アカデミー教師 中川三千代

 

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正しいワガノワ・メソッドとは?

スタジオの主宰者で元モスクワ・バレエ・アカデミー教師の中川三千代がワガノワ・メソッドの基本を分かりやすく解説しています。正しいワガノワ・メソッドの基礎が身に付いているかどうか、この動画で判断してください。

ソフィアのコンサート映像

貴重な動画

第2回国際舞踊フェスティバル「タン・リエ」(2021年11月)の貴重な映像をカザフ国立舞踊アカデミーのアーカイブスで見ることができます。

野口栞那先生の「バレエ・スタジオ・ミューザ」

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